どうも。挿絵評論家の夏目臭之介です。 さて、今回は私も親しくさせてもらっている今巷で噂の「七人の筆侍」を紹介したいと思う。まだまだ謎の多い「七人の筆侍」ですが、まず簡単にご説明しよう。
平成13年大阪。ひょんなきっかけから関西で活動している7人のイラストレーター(この場合“挿絵師”が相応しい)が集まった。 その顔ぶれは奇しくも昭和39年〜41年生まれというほとんど同世代だった。 それぞれ描く絵も好きな女性のタイプも性癖も様々だったが、同じ時代を通過してきたせいか不思議にどこか共通するところがあった。そのひとつに彼らには馬鹿げた話や女性立ち入り禁止の下ネタ話が好きという共通点があった。会合では常にそういうたぐいの話が交わされるらしい。しかも会合時間の半分以上を占めるという。そういえばこんな話も聞いた。焼鳥屋での初会合のときも下ネタで盛り上がったそうだが、その下ネタというのがオモロイのなんのって!せやかてアンタ、ええ歳したオッサンがな、・・・・・ウォッホン!(咳払い) ここではそんな下ネタ話は場違いなのでやめておこう。もとい。
とにかくバラバラな個性が共感し意気投合した男達は「七人の筆侍」を結成し、「和」という課題を通して12年企画を打ち立て、絵で思いっきり遊ぶことを決めたのだ。 遊ぶと言っても真剣である。真剣であるがゆえにかなり面白い。笑える。 まわりから見ると「お金にもならないことをよくやるな」とふざげているようにしか見えないだろう。しかし「七人の筆侍」は本気なのである。今風に言うとマジなのである。英語で言うと・・・・・そ、それくらい自分で辞書を引いて頂きたい。 要するに、この不景気な世の中、今こそ思いっきり遊ぶ時なのだと彼らは言いたいのである。
彼らはそれぞれ各分野で挿絵を描いて活躍していて、その活躍ぶりは関西にとどまらない。ここでそれを述べる必要もなく調べて頂ければより具体的に知り得るだろう。興味のある方はどうぞお調べになることをお薦めする。
それから誤解のないように付け加えておきますが、「七人の筆侍」は単なる「クリエーターが集まってやる作品発表会」ではないのである。昨年の第一回展覧会『七人の桃太郎筆侍展』を観ればそれは一目瞭然。展覧会場の真ん中で私は驚愕したのである。七人の筆侍たちが描く世界は、「笑い」あり「迫力」あり「センス」あり「エロ」あり・・・!これほどまで観る者の本能を刺激し楽しませるエンターテインメントは他にない。彼らのどこにそんな力があるというのか!何が彼らをそこまでさせるのかーっ! ・・・・・失礼。少し興奮してしまいました。 ともかく彼らが言うには、「七人の筆侍」の大きな目標は「ええ歳こいたオッサンたち何か楽しそう!」なのだそうだ。 なるほど・・・・・。 今この記事を書いていて思うのだが、立派な大人が果たしてこんな目標でいいのだろうか・・・?
最後にこれだけは声を大にして言おう。 挿絵界にとって、この噂の関西挿絵師集団「七人の筆侍」の活動は見逃すことのできない存在であることに間違いはないということを!!
挿絵評論家:夏目臭之介 (日本挿絵出版・月刊『挿絵ライフ』平成15年6月号より)
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